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| 1996.9.18 読売新聞 |
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滋賀大教授ら署名・募金活動 かわらぶき礼拝堂残して 彦根城町 市道拡張で取り壊し「文化財指定は困難」 |
| 彦根市城町の堀端に立つ全国でも珍しい和風礼拝堂が、市道拡幅工事のため取り壊されることが決まり、滋賀大経済学部の教授らを中心に保存のための署名・募金の活動が始まった。太平洋戦争開戦前の一九三一年にアメリカ人牧師と日本人らが協力して建てた礼拝堂で、十七日の定例市議会でも保存を求める一般質問が行われた。 礼拝堂は、日本聖公会彦根聖愛教会の所有。外観はかわらぶきの一間向拝のついた三間堂で、屋根に立つ十字架や正面の唐戸に施された十字架やブドウの彫刻がなければお寺のお堂と見間違える。内部は祭壇を設けた五十人収容の洋風になっているが、欄間や花頭窓も設けている。 二六年に彦根に赴任した故・パーシー・アルメリン・スミス牧師が両親の慰霊と日本での布教の成功を願って私財を投入、自ら設計して五年ががりで建設。日本人に親しみを持ってもらおうと寺院建築を模倣した。国内では、軍事色が強まっていったが、建築にあたってはアメリカからも寄付が寄せられ、牧師の熱意に打たれた仏教徒の大工、左官も全面協力した。 しかし、三年前に道路拡幅で教会敷地が約八メートル削り取られることになり、同教会は、老朽化した礼拝堂の復旧保存も検討したが、最低約五千五百万円の費用がかかるので新しい礼拝堂を建設することにした。 このため、滋賀大経済学部の筒井正夫助教授は、保存のため募金活動を始め、近く教授ら六十人の署名簿を市に提出し、保存を陳情する予定。この日の市議会でも、田島一成議員が「日本建築学会でも評価された貴重な建物。文化財として保護するか、市の力で移築、復元してほしい」と市の姿勢をただしたが、内田宏教育部長は「市内にはたくさんの文化遺産があり、文化財として指定するのは難しい。老朽化が激しいのでその保存も困難」とした。 同教会は「私たちとしても解体するのは断腸の思い。市なり市民団体が移築していただけるのであれば対応したい」と話している。 |
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